DeNAから配信され、昨年12月には配信1周年を迎えた『メギド72』。
特許を取得した独自の戦闘システムはもちろん、いわゆるソーシャルゲーム的なデザインとはひと味違うデザイン性も人気の作品だ。
今回は、そんな『メギド72』のデザインチームに所属する中山祐治さん(文中:中山)と米倉実穂さん(文中:米倉)を直撃し、『メギド72』のデザインにおけるこだわりを聞き出した。
インタビュー内容はもちろん、メギドのラフデザイン画など、貴重なデザイン資料も掲載しているので、ぜひ最後まで目を通してほしい。
▲『メギド72』デザインチームの米倉実穂さん(左)と中山祐治さん(右)。
――まずはおふたりの自己紹介をお願いします。
中山 『メギド72』のメインアーティストの中山祐治と申します。アートチームのリーダー的なポジションで、キャラクターデザインやアートディレクションをやらせていただいています。
米倉 米倉実穂と申します。『メギド72』ではイラストレーターとして、メインキャラクターのデザインや衣装イラストの制作、あとはNPCのデザインなどを行っています。
――さっそくですが、『メギド72』ではどのような流れでキャラクターのデザインが決まっていくのでしょうか?
中山 制作のスタートとしては、DeNAと共同で『メギド72』を運営しているメディアビジョン様からキャラクターの特徴やバトルでの役割などの情報をもらい、イメージを作ります。チャットやミーティングを実施して、どのようなキャラクター性がいいかをすり合わせながら方向性の確認をして制作を進めていきます。
――オーダーに沿ってデザインを進め、できあがったデザインに対して修正が入ることもあるのでしょうか?
中山 そうですね。基本的に2Dのデザインに関してはDeNA側で作成するのですが、戦闘に参加するキャラクターは3D化するので、3D化したときに映えることもポイントになってきます。3Dで見たときに少し物足りないよね、というフィードバックをいただいて、それに対する修正をいれることもあります。
――2Dで完結するのではなく、3Dに起こすデザインならではの苦労や、意識されていることはありますか?
中山 2Dでデザインする場合、とくにメインキャラクターたちについては星3、星6と作っていくのですが、僕らは絵の構図でクオリティを見ていくんです。でも、3Dの場合は構図というものがそもそもないので、2Dとはまた見えかたが変わってきますよね。なので、パーツが全体的に細かかったりすると、ギラギラしてしまってあまりよくなかったりします。
**米倉 イラストを作るときには3Dになってどう動くのか、という部分も意識しています。**細かすぎると視認性が悪いこともあるので、このパーツはなくてもいいね、あるいはこういうデザインを入れたら3Dで動きが映えるね、という考えかたで作っていますね。
――ちなみに、3Dモデルを起こす際に、衣装のパーツを間引いたりすることはないのでしょうか?
米倉 ないんですよ。本当に**描いたままをそのまま受け入れていただいています。**若干見せかたを変えるようなことはあるんですけど、デザイン自体を間引いたりなくしたり、ということはないですね。
中山 服のリブ生地のような、本当に細かい線のようなものは取ったりしますけど、基本的にデザインとして盛り込んだものは、柄の位置まで同じになるようにしてもらっています。